おぉ〜どこかで見たよな・・・韓国編


・観光バス編

観光バスはやはり大型車の花形であるためか、韓国の大型車メーカー4社から

販売されているようである。現代は三菱との業務提携でエアロバスをベースにした

物を販売。街中をかなり賑わしている。現代とシェアを2分する大宇はオリジナルデザイン

で勝負しているが、どことなく、いすゞのスーパークルーザーや日野のセレガに似てなくも無い。

路線車では皆無であった起亜製のバス、大型車では健在である。デザイン的には大宇と

瓜二つである。ひょっとすると、ボディーは共通なのかもしれないが、詳しいことは解らない。

そして少数ながら亜細亜製の大型観光バスも存在している。少し前の車輌は少々野暮ったい

全くのオリジナルデザインであるようだが、新鋭の車輌は起亜のものとほど同系。

この点からも、バス専門のボディーメーカーが存在するのかもしれない。

エンジンの方はかつてはV8エンジンが存在していたようだが、現在はほとんどが直6ターボ。

これをぶん回して全速力で走る。ドライバーも熟練の技を持つ人が多いようで、13mしかスペース

の無いところに12mのバスをバックカメラ無しで縦列駐車するテクを目前で見せ付けられた。

また、外国製のバスや、ダブルデッカー・スーパーハイデッカーは存在せず、

スタンダードデッカー及びハイデッカーのみの構成である。

(画像をクリックすると大画像になります)


現代編

 

  現代エアロのラインナップ(現代HPより)

名  称

特   徴

エアロハイクラス

(クィーン及びHSXに設定)

現代エアロのフラッグシップ。エアロパーツ&豪華装備装着。

車高:3415mm

軸距:6150mm 馬力:410・380ps
エアロクィーン ハイデッカー、上級車種。3列シート。
車高:3415mm 軸距:6150mm 馬力:410・380・340ps
エアロエクスプレスHSX 高速車ハイデッカー仕様で上級装備。
車高:3415mm 軸距:6150mm 馬力:410・380ps
エアロエクスプレスLDX 高速車標準床仕様。
車高:3235mm 軸距:6500mm 馬力:380・340ps
エアロスペースLS 標準床仕様で上級装備。スイングドア。
車高:3235mm 軸距:6050mm 馬力:380・340・320・290ps
エアロスペースLD 標準床仕様で廉価版。折戸、角4灯、リーフサス!
車高:3235mm 軸距:6050mm 馬力:340・320・290ps

  現代エアロのエンジン

以前は三菱製のV8エンジンや、大宇製のエンジンを搭載していたが、

現在は自社製の直6インタークーラーターボのエンジンが搭載されている。

「パワーテック」エンジン 

12.920cc

・410ps 173kg,m  

・380ps 148kg,m 

・320ps 140kg,m

「Q」エンジン 

11.149cc

・340ps 148kg,m 

・290ps 110kg,m 

 

 

現代 「エアロE」

ベースはエアロのスタンダードデッカーでリアスタイルは日本のエアロのまんま。パッケージエアコンの直結冷房が多い中、こちらはサブエンジン式のようである。仕様からすると日本でいう「上高地仕様」のようであるが、韓国では平屋根車が普通のようである。

 

 

現代 「エアロクィーン」

これぞまさしく現代エアロ!こちらはエアロのハイデッカーベースであるが、SHDが存在しない韓国ではこのハイデッカーが「エアロクィーン」となってしまう。リアのエンジンフードには細長いルーバー、俗称「淡路ルーバー」がつく。エンジンは8DC8あたりのV8が搭載され、ミッションは5速!おまけに2+1の3列シート車であった。インパネは三菱のものが流用されている。独懸かどうかは確かめられなかったが、ワイドサスがおごられている。実際にこの車輌に乗車することが出来、韓国のハイウェイクルーズを楽しんだ。                               

詳細画像はこちら

 

現代「エアロスペースLD」

モデルチェンジされ、ニューエアロスタイルとなった。バンパーもU−のエアロのものがそのまま使用されており、より日本のエアロに近づいている。この車輌はサブ冷が選択されている。

現代「エアロスペースLS」

こちらはマイナーチェンジされ、バンパーがよりエアロ調となっている。LDとLSの違いはグレードの差のようで一番わかりやすい違いはドアでLDが折戸、LSがスイングドアとなるようである。

 

現代「エアロスペースLS」

エアロスペースとエアロクィーンの違いはグレードと床の高さの違いであるようだが、パッと見はほとんど解らない。エアロスペースが標準床、エアロクィーンがハイデッカーのようである。リアの様子を掲載したが、見ての通り、ターボのエアインテーク用の小さいルーバーが装備されている。このルーバーの大きさでLDX・LS・LDとクィーン・HSXの見分けができる。

 

 


大宇編

  

大宇のラインナップ

名称 特徴
ロイヤル・スーパー 大宇のフラッグシップ。ハイデッカー、BH120F
ロイヤル・クルーザー ハイデッカー、上級車種。BH120F
ロイヤル・クルースター ハイデッカー・高速タイプ。BH117H
ロイヤル・ラグジュアリー 標準床・上級装備、スイングドア。BH116
ロイヤル・エコノミー 標準床・廉価版。リーフサス、固定座席、折戸。BH115E
ロイヤル・エクスプレス 標準床。BH115H
 

大宇の型式

頭に着く記号は BH:Bus Highway  BS:Bus Standard−decker

BM:Bus Midiumsize から来ている。以前いたV8エンジン搭載車にBV

という型式が存在した。その後の数字は車輌の長さを表す。

たとえば120なら12m、115なら11m50cmである。数字の後のアルファベットは

観光・高速車でグレード、路線車についているLはLow−Floor、つまり低床車である。

 

大宇の観光タイプ

BH115H

大宇の大型観光バスで、見かけた中で一番古いタイプ。ステンレスのコルゲートで武装。やはり、直結冷房である。名古屋観光風アンテナも中々の装備品である。

 

大宇「ロイヤル・クルースター」

BH117H

モデルチェンジが行われ、セレガ風マスクに変貌。フロントのサイドが大胆な造型のグラスエリアになっている。

 

大宇「ロイヤル・ラグジュアリー」

BH116

こちらはラグジュアリーであるが、クルースターとの見分けは難しい。これが折戸だと「ロイヤル・エコノミー」となる。

 

大宇「ロイヤル・クルーザー」

BH120F

大宇の上級車種「ロイヤル・クルーザー」。名前の通り、いすゞのスーパークルーザーにライト周りが似ている。以前はいすゞの10気筒エンジンが搭載されていたので納得できる。

 

大宇「ロイヤル・クルーザー」

BH120F

こちらはフルスモークの車輌。車体にすごい落書きが・・・・しかも自家用のようなのでおかしいなと思っていると、どうも韓国のプロ野球球団の自家用でファンが落書きしたようである。

 

 


起亜

 

起亜のラインナップ

起亜のグランバードは韓国のグッドデザイン賞を受賞した車である。

名 称

特 徴

グランバードHD サンシャイン 起亜のフラッグシップに当たるハイデッカー。
ブルースカイ ハイデッカー、汎用グレード。
マイルドブリーズ ハイデッカー、普及グレード。
  全長:11990mm 車高3450mm 軸距:6150mm
グランバードSDU パークウェイ 標準床、上級車系。
全長:11990mm 車高3335mm 軸距:6150mm
グランバードSDT グリーンフィールド 標準床、廉価版。
全長:11540mm 車高3335mm 軸距:5700mm

起亜のエンジン

起亜製のバスにはV8エンジンと直6インタークーラーターボエンジンが準備されており、

V8エンジンはなんと日野のセレガに搭載されているF17E(355ps)が採用されている。

更にその下には日野EF750(330ps)も用意。驚くべきことにツインマフラーが装備

されている。直6インタークーラーターボは現代製のQ340(340ps)とパワーテック(380ps)

エンジンが搭載されている。かつては三菱のB905Nが販売されていたこともあり、エアロに

搭載されている名機8DC9も採用されていたようである。

 

 

起亜「グランバードHD」

起亜の大型車のフロントマスクは大宇の大型車によく似ている。起亜のライトはプロジェクターランプなので精悍な顔つきをしている。この車輌は「101匹ワンちゃん」のキャラクターをデザインしており、中々面白い仕上がりとなっている。驚くべきことに、リアには「亜細亜モーター」と入っており、起亜なのか亜細亜なのかよく解らない車輌である。ハイデッカータイプ。

 

起亜「グランバードSDT」

こちらは標準床タイプ。大宇のボディーに似ているが、起亜製の側面前部はごくありふれた普通のデザインにとどまっている。この車輌のカラーはカタログカラーとなる。

起亜「グランバードSDU」

こちらは上記の物より上級グレードで50cm全長の長いSDU。パッと見はほとんど見分けがつかない。

 

起亜「グランバードHD」

こちらのグランバードはハイデッカーでアルミホィールを奢られており、おそらく最上級グレードのサンシャインと思われる。隣は別車輌のリアスタイルである。エアポートリムジンに使用されているものだが、リアテールはデボネアのテールに似ている。「L380EUI」とステッカーが貼られているので現代製パワーテックエンジンの直6インクラターボ380ps車。

 

 


亜細亜・サンヨン

  

亜細亜のラインナップ

亜細亜の「トランススター」は1994年に登場したが、1997年に会社の不渡りにより

製造を中止されてしまった不運な車輌である。時代を先取りした最先端の機能を満載

していたが、逆にそれが受け入れられず、人気を生み出すほどではなかったようである。

グレード

用 途

全 長

全 高

価  格

トランススター V デラックス・高速

11.96m

3.45m

1億1460万W

トランススター H 市外直行・一般高速

11.96m

3.45m

1億260万W

トランススター P 市外直行・高速観光

11.5m

3.45m

8400万W

トランススター S 市外直行・観光

11.5m

3.45m

8000万W

※10W(ウォン)=1円

亜細亜のエンジン

亜細亜のバスに搭載されるのはなんと、ベンツのエンジンである。

型 式

エンジン種別

馬 力

搭載グレード

OM401LA 直6インタークーラーターボ 310ps
OM441LA V6インタークーラーターボ 360ps S・P・H
OM442A V8ターボ 360ps H・V

※韓国は光州に居住まいのキムヒョンンソク(KimHyunSeok)様より

ハイデッカーのトランススターはサンヨン(Ssangyong)と言う会社で製造された

との情報を頂いた。亜細亜とサンヨンの関係は不明。

※韓国のハンスィン(Han SuIn)様より

亜細亜のバスは、Am937、Am938(観光)、 Am939(高速)、の3種類があると

御教示いただけた。

 

亜細亜

オリエンタルムード溢れる亜細亜製のバス。こちらも型式がドア横に記されていたが、画像からは読み取ることが出来なかった。前後に傾斜をつけたデザインは懐かしさを感じさせる。

亜細亜「Am938」

こちらは以前『トランススター』と紹介したが、韓国のHan SuIn様の御指摘により、間違いであることが判明。上の車輌に比べ、直線を基調としたスッキリとしたデザインである。

サンヨン「トランススター」

この車輌は上記の車輌の上級車種のようで、ハイデッカーボディーにフロントの斜めカットガラス、メッキライトベゼルがいい味を出している。トランススターはニーリングやリアスポイラーを逸早く採用し、韓国バス業界をあっといわせた車輌である。

亜細亜「グランバード」

起亜のグランバードと思いきや、亜細亜のエンブレムをつけたグランバード。現行型から起亜と亜細亜はOEMとなっている模様。

 

 


 

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